火葬が終わった後の収骨について

収骨

「収骨」とは、火葬後に箸で骨を拾うことを言います。食事のときなど、「箸と箸で食べ物をつかむのは死んだ人だ」という言い方をしますが、そのようにして箸と箸でつかむことが許される場です。
火葬を終えて待合室で待っていると、「○○家さまご収骨でございます」と放送での連絡、あるいは案内の方によるお知らせがあります。


案内のあるタイミングで待合室にいないと、他の人々からはぐれてしまいます。みなさん大人の方ですのである程度気をつけてくださいますが、どうしても時々このようなことが起きてしまいます。ご家族の方が困ることのないよう、トイレや他の用事などはあらかじめ早い時間に済ませておきましょう。

その後、写真と位牌を持ち、遺体を収めた火葬炉に移動することになります。

ご遺族や参列者の方々が揃ったのを葬儀社が確認し、火葬炉から遺骨が取り出されます。東京においては殆どの場合、火葬炉から出た状態そのままから直接収骨を行うことはありません。遺骨は銀色の専用取り皿に一旦移され、専用の台の上で収骨されます。

収骨の手順は以下の通りです。まず二人ずつで大きい骨から箸で掴み、骨壷の中に収めます。火葬後に残っているのは親族の方ばかりですから、最初に喪主さんが収骨した後の順序については特に決まりはありません。偉い方から先に、というような順序があれば僕もそれに従うべきかと思いますが、そういうことでもないのです。骨壷の近くに立っている方から順次収骨していきます。二人ずつ行ってゆき、人数が奇数ということで最後の方が一人になってしまったら、火夫さん(火葬場の従業員)が最後の方と一緒にお箸を使い収骨します。

よく「二人ずつ掴むのはなぜでしょう?」と尋ねられることがあります。これにはいろいろな説がありますが、僕が考えるのは、ひとりよりもふたり、少しながらでも協力して作業すること、そしてそのような気持ちのある中で故人を送り出してあげようという気持ちを表すためではないかということです。

さて、お焼香などにおいても言えることですが、葬儀においては自分の番を人に譲り、他人より後で行うことを美徳のように考えている方がいるようです。これは、本人は遠慮のつもりでいても、式をスムーズに進行させる上でよいことだとは言えません。むしろ積極的に弔わせてもらおうという気持ちを持つことのほうが、故人に対しても遺族に対しても十分に弔いの気持ちを示すことだと言えるのです。

親族の方々による収骨が終了すると、火夫さんによって親族総てに順番が回り終わったかの確認がなされます。そして、残った骨が壷の中に収められます。

ここまで終えると、故人の骨についての説明があります。「これがのど仏です」「下あごです」「耳の穴があいているでしょう、ここが‥」と丁寧に説明してくれます。このような説明は他で聞く機会もありませんし、自分の肉親の骨格を見ることができるのも骨壷に入る前までです。じっくりと聞き入るのがよろしいかと思います。

総ての骨を骨壷に収め終わり、骨壷は小さな箱に入られ、さらに白い風呂敷に包まれます。この際、「埋葬許可証」も一緒に入っています。喪主さんに対しては埋葬許可証についての説明がありますので、しっかり聞いて疑問については確認しておくようにしましょう。

親族の方は風呂敷に包まれたお骨を抱え、初七日の会場に移動します。お骨はまだ火葬の熱によって温まっており、ずっしりと重いものです。気をつけて大切に運びます。

以上で「収骨」の手順は終了です。簡潔にまとめると以下のようになります。

収骨の手順と注意点

? 収骨の案内が入る ( 控え室にいましょう )

? 遺体を収めた火葬 炉まで移動する (はぐれないように気をつけましょう)

? 収骨 二人ずつ、お箸でお骨を拾います。(順番を譲り合わないよう近くの方から。)

? お骨の説明 骨に色がついている場合もあります。
(これは、火葬の高温により棺に納めたお花の色などがつくことがあるためです。病気や薬などが原因ではありません。着色は副葬品によるものです。

?埋葬許可証の説明 収骨容器と一緒に、箱の中入れられます。
(正式な許可の下きちんと埋葬するために必要なものですので、しっかり覚えておくようにしましょう。)

?お骨を持ち移動 初七日の会場へ移動します。
(お骨は少し重いものなので、両手で抱くようにして持ちます。)