葬儀告別式でのあいさつ(出棺)

挨拶

葬儀において喪主さんを務めることになったとき、最も困ることのひとつは出棺のときの挨拶ではないでしょうか。「自由にお話ください、何でもいいですよ。」といわれても逆に何を言うべきか迷ってしまいますので、僕は「どうぞ参考にしてください」といつも決まり文句を書いてある紙を一枚お渡しするようにしています。 皆さんも会葬したときには「今日の挨拶はなかなかよい挨拶だったなあ」とか「何かいまいち決まらない挨拶だったなあ」などと感想を持つことがあるかもしれません。

しかし当の本人である喪主さんは、人がどう思っているかを気にしている場合ではないのです。「挨拶を間違えてしまわないだろうか」「人前で挨拶の経験なんてない」「喪主が挨拶しないといけないのだろうか、誰か他の人ではだめなのだろうか」などと、緊張のあまりいろいろ考えてしまうものなのです。しかし、考えたところで挨拶をするのは自分自身。「自分がやるしかない」と心を決めてしまわなければなりません。 こんなふうに書いてしまうとひどく大変そうに思えてくるかもしれませんが、そんなに難しく考えないでくださいね。例えばあなたが出席したお葬式の挨拶を思い出してみてください。挨拶の内容やその言い方を事細かに覚えているでしょうか?漠然としか記憶に残っていないのではないかなと思います。

お葬式の挨拶には抑えるべきポイントが幾つかあります。そのポイント、つまり「条件」のようなものを守って考えれば、難しいことではないのではないか?と思っています(実は僕に挨拶の経験がないので、喪主さんの立場としての実際のところはわからないのです。少し無責任かなと思いつつもそう考えています)。では、お葬式の挨拶のポイントをご説明しましょう。

出棺の挨拶のポイント
長くなりすぎないこと
長くなる場合にも三分ぐらいにまとめましょう。長々と話さず、伝えたい重要なポイントをきちんと含ませるようにして簡潔にお話しましょう。会葬者へのお礼
まずは、葬儀に参列してくださった方々へのお礼です。礼儀正しく、一番にお礼を申し上げましょう。

決り文句
「本日はお忙しい中、故人○○のためお集まりいただきまことにありがとうございます。」

故人と生前お付き合いの会ったことへの感謝。
亡くなった人と生前お付き合いいただいたことへお礼を述べる。

決り文句
「生前中は皆様にご厚誼(こうぎ)を頂戴し、まことにありがとうございます。」

故人になり代わりお礼
亡くなってしまった方はお礼を伝えることができません。代わりにお礼の言葉を述べます。

決り文句
「暖かなお見送りお受け故人もさぞ喜んでいることだと思います。故人になり代わり皆様に御礼申し上げます。」

故人がなくなっても残された遺族へ同じようにお付き合いをと言うお願い
お付き合いは私たちが引き継ぎますので、暖かく見守ってください、というお願いをします。

決り文句
「なお故人亡き後も残された遺族に、生前中と変わらぬお付き合いを願いますようよろしくお願い申し上げます。」

しめ
これで挨拶を終わりますと宣言します

決り文句
「簡単ではございますが、これをもちましてお礼の挨拶に変えさせていただきます。本日は大変ありがとうございます。」

このほかに、「故人になり代わりお礼」と「遺族へ同じようにお付き合いをと言うお願い」の間に、故人についての紹介や病状の経過を挟むこともあります。必ずしもお話すべきことというわけではありませんので、自由に考えてください。お話する場合には、次の例を参考にしてください。

病状の経過

「心臓に病状が見られ、昨年末から入院生活を送っておりました。二月に入り、病状が一旦安定したため、自宅に戻ることができました。すっかり元気というわけにはいきませんが、やはり自宅で家族と過ごすことは本人にとって安心のできることだったのでしょうか、入院中には見られなかった笑顔をたくさん見せてくれたと思います。今年の夏の暑さも厳しさもあったのか、秋頃になると再び心臓の状態が悪化し、先日亡くなりました。82歳でした。」

故人の紹介

「父 葬次郎は人柄も優しく、特に孫たちには優しいおじいちゃんでした。手先の器用さを生かして孫たちと凧を飛ばしたり、コマのまわし方を教えたりしては、嬉しそうに微笑む顔を見せていました。僕達が子供の頃、それは贅沢ができるような生活ではありませんでしたが、父は真面目に勤め、母と手を取り合って僕達兄弟三人を立派に育てあげてくれました。苦労することはとても多かったと思いますが、僕たちは父の持ち前の真面目さと明るさにとても勇気付けられたものです。元気がとりえ、などと自分の体の丈夫さを言ってはおりましたが、さすがに歳には勝てなかったのでしょう、先日家族に見守られながら静かに息を引き取りました。」


いかがですか?
出棺のときにはこのような感じで挨拶すればよいかと思います。

挨拶のときに、何か困ることがあればご意見として教えてください。

決まり文句は基本的な言い回しですから表現も堅くなっています。ご自身の言葉に直していただいたり、普段お話するような柔らかい表現にも変えていただければと思います。