もしも危篤になったら

臨終

誰にでも公平に死は訪れます。

「死」の世界観は、日常生活からは大変かけ離れた、そして切り離されたものです。しかし、死という段階が見えるとき、医療においてそれは「危篤状態」として家族にはっきりと伝えられます。あまりにも突然やってきた別れを知ることは大変ショックの強いことで、軽いパニック状態に陥ってしまうことも珍しいことではありません。それでも、やがては静かに、そして心置きなくきちんとお別れの瞬間を迎えられるために、よい葬儀というものが必要なのではないかと僕は思います。「危篤」という死の直前の段階に立ったとき、これだけはやっておくべきではないかと思われることがいくつかあります。危篤を知らされたときから順を追ってそれらの事柄をご説明しましょう。

危篤を告げられたら

同じひとつの家族であっても、その性格はひとりひとりの個性があります。どんなかたちで悲しみを受け入れるのか、それがわかるのは本人だけです。しかし、大切な家族のひとりが危篤であるという状態は必ず伝えなければなりません。配偶者や子供さんは可能な限りそばにいられるようにしてあげましょう。その他の身内の方が連絡役となってあげてください。
連絡役の方が何人かいる場合には、誰が誰に連絡をしたのか、また連絡すべき事項についてなど、きちんとすり合わせておかないと行き違いが生じてしまいます。連絡事項は漏れのないようにメモにまとめ、連絡役の方々の間でしっかり共有してから連絡するようにしましょう。電話の際には必ずメモを手にしておくようにします。

だれに電話すべきなのか?

一般的にこのような連絡をするべき相手は、三親等(おじ、おば、おい、めい)までと言われています。しかしながら、これは目安として知っておくだけで結構です。その親族の状況、都合を考えて適切と思われる方々に連絡をしましょう。もしも親子や兄弟と仲たがいしており普段口を利くことがないとしても、危篤については必ず知らせてあげましょう。死は「村八分」の残り二分、仲間はずれというものがないのですから。親族以外にも、最期に会って欲しいと考える方がいらっしゃったら、連絡を忘れないようにしましょう。

電話で伝える

危篤を伝える手段は電話となります。もしも時刻が夜中になってしまっても、一刻を争う事態であることは相手にも伝わりますので遠慮することはありません。ただし、必ず礼儀として「夜分遅くに申し訳ありません」と添えるようにした上で、ポイントを抑えきちんと事情をお話しましょう。

電話するときのポイント

?続き柄と名前を名乗る
?だれが危篤になったのか
?病院名、病室番号
?場所と交通手段と連絡先(電話番号)

連絡を第三者に頼む場合(ことづけする場合

もし、連絡を取りたい相手が不在であった場合、その方の知り合いや同居している方などの第三者にことづけを頼まなくてはなりません。ことづけをお願いした際には、本人から折り返し確認の電話をいただけるようにお願いするようにしましょう。最期に立ち会うべき方に、確実に連絡が伝わるようにするためです。

自宅で危篤の連絡を受けた場合

病院から病人の様態が急変したという電話を受けたときには、1分1秒でも早く病室に向かいたいところです。しかし、まずはその事実を家族や親族に連絡しなければならなりません。可能な限りその場から身内の方に連絡をしたら、病院にもアドレス帳を持参するようにしましょう。病院内では携帯電話の使用が禁じられておりますので、公衆電話を使えるようにテレホンカードを用意しておくのも忘れないようにしましょう。

 

以上が危篤の連絡を受けた際の手順となります。
急にこのような立場となったとき、実際こんなふうに順序立てて考えて行動できるかというと大変難しいところでしょう。

しかし、昔からの言葉に「親の死に目に会えない」とあるように、死は近しい人々みんなで看取るものだという基本原則をできるかぎり守りたいと思う気持ちがあるからこそ、しかるべき人に連絡をしようとするのです。特にこのようなことは状況によって何が一番よいのか、どうするべきかという答えが変わってきます。自分たちで最善の方法を探し出すことができれば、それがいちばんよいのではないかと思います。