低価格、安く葬儀をする方法(葬儀の割引)

割引

以前にも書いたことがありましたが、葬儀の費用を「何割引きでできます」と表現されることがあります。割引きというものですね。

実際に「葬儀の費用を割引きする」場合、どのように計算処理されるのかを考えてみましょう。

一般的な物品の販売であれば、たくさん買うほど割引きがあるのも当然ですね。しかし、葬儀は「割引き」という概念を使うのにそぐわない業態だということをまず説明しなければなりません。もちろん、各社によって金額に対する考え方も違います。それが自由競争だといわれればその通りです。

まず、消費者として葬儀の代金を考えるとき、まず認識すべきは「総額」です。
大事なことですのでもう一度言いましょう。総額なのです。

これを踏まえた上で初めて葬儀金額について考えることができます。総額とは、お布施と49日のお香典返しを抜いた、お客様がお支払いになる全額です。

例えば総額ではないところで何かのひとつの項目が何パーセント割引き、となっていても、あまり信頼はできません。他の項目で割高に設定されている可能性があります。お客様に都合のいいところだけを大々的に話し、そうでないところはあまり説明されないというのはありがちなことです。

家を建てることは、葬儀を計画するのに似ています。部分部分を外注し、限られた予算の中で図面(計画)通りの施工をします。使える総予算は決まっています。その中で工夫をしてできるだけ希望に近いものを実現し、全てが予算内に収まるよう調整するのです。

ですから、葬儀を割引きしている所では、慎重に見積もりを見つめる必要があります。スーパーなどでやっていた二重価格設定をしているのかもしれませんし、あるいは規定のないところでコストダウンして金額を調整しているかもしれません。その辺も建築とよく似ていますね。

それでは、葬祭業に割引きという概念が馴染みにくい理由を考えてみましょう。

まず、一般的な物流における割引きというもののしくみを考えてみましょう。何故割引きができるのでしょうか。

1、大量仕入れなどのスケールメリットの発生

大量に扱うことで、製作コスト、流通コストが抑えられます。そのため、ひとつあたりの価格は安く設定できます。
葬祭業×
葬儀は突然に発生するものです。数量が増えれば、それに比例して商品を揃える労力が発生します。依頼が入ってから準備するのではなく、それを待つ間にも大きな在庫や人材を抱えておく必要があります。言ってみれば、計算できない不規則さのためにスケールデメリットが発生してしまう業界なのです。

2、自社取り扱い部分の増加

サービスも製品も、自社で扱うことによって外部に注文するよりも利益が大きくなります。
また、作業をルーチン化することにより、プロとしての社員を育てなくともアルバイトやパートで補うことができます。これは人件費の削減となります。
葬祭業×
扱うのは人の死というとてもナイーブなものです。ですから、携わる人材ひとりひとりに経験値や十分な知識が求められます。突然のアルバイトでは無理なことが多いのです。そのため、仕事が大量発生したからといって突然に人材を増やすことも難しく、閑散期も含め普段から人材を確保しておかなければなりません。自社取り扱い部分が増えれば増えるほど、逆にパンクしやすくなってしまいます。

3、売上見込みによる割引き

数が増える事で、ひとつあたりの利益率は落ちても、全体で見ればある程度の利益額は確保できるという事で、割引きを行う場合があります。
葬祭業×
もし葬儀の受注で団体契約を結んだからと言って、実際に受注できるものではありません。団体契約を結ぶにも営業経費(人件費や交際費)がかかりますし、それらを差し引くと利益も小さく、大きな割引きに繋げることはできません。仕事の規模が大きく、忙しくなると、その分管理にかかる経費、見えない部分にかかる経費というのは増えていくものです。葬祭業は熟練を必要とする人的なサービス業ですが、そのような熟練者を確保するもの簡単なことではありませんし、熟練度が高いほど給与は多く支払わなければなりません。薄利であれば多売すればよい、しかし、その多売という部分が非常に難しい業界であると言えましょう。