密葬のマナー

挨拶

「密葬」というと、「普通のお葬式と違うのでしょうか?どのような点が異なるのでしょうか?」

といった質問をいただくことがよくあります。ご心配なさらず、密葬だからと言って
密葬だけの特別な決まりがあるということではないのです。

「密葬」の定義は、何度もこちらのサイト内で繰り返して申し上げているように
「誰かにお葬式を知らせないこと」であって、葬儀の内容についてのものではないのです。

葬儀で行われる内容は、一般的なお葬式と同じと考えていただければいいでしょう。

お葬式ということで、つい特別なものという意識が邪魔をし、倦厭しがちですが
少し踏み込んで考えれば、お葬式のマナーは他人との付き合いの基本的なマナーと同じなのです。

とは言いましても、他人がどのような葬儀をしているかは気になるものです。
自分が喪主となったとき、失敗してしまったらどうしようかと心配になるかもしれません。

それは人として当然のことです。

まず、葬儀の主催する遺族側の立場での密葬を考えてみましょう。

密葬をするときの家族側のマナー

1、葬儀を行うことを伝えてもよいのはどの範囲の人たちまでですか?

決った範囲というものはありません。誰に伝えても自由です。一般的な葬儀と同じように、親戚と故人の近しい友人、というのを目安にするとよいでしょう。密葬だから人を呼んではいけないわけではありませんし、もし出席してもよいかと尋ねられたときにも断る必要はありません。

2、現在お付き合いがなくとも、以前にお付き合いがあった方には葬儀の後に連絡を入れるべきだと思います。どのようにして連絡したらよいでしょうか?

49日、あるいは初七日を目処に、亡くなったことをお伝えする「死亡通知」を出します。死亡通知には「葬儀は故人の意志により、近親者のみで行いました」など、ひとこと書き添えると相手の方にもよくご理解いただけると思います。基本的には書面で通知します。葬儀は出られなくともお骨が自宅にあるうちにお参りしたい、という方がいらっしゃるかもしれません。そのためにも通知は早めに発送したほうがよいですね。

3、密葬の場合、勤務先への伝え方は?

「故人の意志」により「家族だけで執り行います」ということを率直にお伝えしてよいと思います。あるいは勤務先の責任者の方とお話し、代表の方だけ出席していただけるようお願いしてみる、相談してみる、という方が多いようです。

家族としては、「故人の意志を尊重したいので」とすると、相手の方の気持ちを害することもなくこちらの希望を伝えられるでしょう。

4、遺言でお葬式は行わないようにと言われているのですが、お寺さんには「葬儀はしたほうがいい」と言われてしまいます。どちらの意見を生かしたらよいのか大変迷っています。どうすべきでしょうか?

故人の遺志もお寺の方の言葉も重く、ご家族にとっては苦しい状況だと思います。遺体の状態が病気のためによくないなどの理由にして火葬を急ぎ、お寺ではお骨を前に近親者たちだけでお葬式をしたことがあります。いわゆる「火葬を含めた一般的なお葬式」という形だけは避けられました。考えられる限り、このような方法を取るしかなかったと思います。
以上がご遺族側からのよくある質問でした。
次は弔問者(会葬者)側からよく質問される内容をご紹介します。

会葬する側のマナー

1、出席して欲しいといわれた葬儀が、いわゆる「密葬」でした。普通の葬儀ではないということで、何か特別に気をつけなければならないことはありますか?

普通の葬儀と同じように出席しましょう。家族の意思で密葬にされているので、あまり外部の方にお話しないようにする点のみ気をつけましょう。

2、我が社では従業員の親の葬儀が行われる場合、社内に訃報を出しています。葬儀が密葬である場合には訃報は出すべきではないのでしょうか?

亡くなったことを内密にするわけではないので、訃報を社内的な死亡通知として考え、社員に連絡することに問題はないでしょう。どなたの親が亡くなったのかを明記し、「なお、葬儀について近親者のみの密葬とされます」と添えるようにします。密葬ですので、葬儀が執り行われる場所や時間には触れなくてよいでしょう。

3、社内の訃報によると、同期の親の葬儀が密葬だということでした。親しい同期ですので、その親の式には参列すべきだと考えています。密葬の場所、日時も訃報には書いてありました。参列は控えたほうがよいのでしょうか?

密葬の通知であっても、場所や時間が記載されていることがあります。「密葬」及び「近親者のみにて」と書いてあった場合には、むしろ参列を控えたほうが親族の気持ちを配慮していることになるのではないかと僕は考えます。ただ、大変お世話になった方であったり、故人との面識があったりする場合には、あなた自身の判断も大切になってきます。参列したいと考えるのであれば、遺族の方にその旨を相談してみることにしましょう。無下に断られることはないと思いますし、ご遺族もあなたも納得する他のよい方法を提案してくれるかもしれません。

4、随分時間が経ってから、お世話になった方の訃報を知りました。葬儀は密葬であったということですが、どうしたらよいのでしょうか?

密葬であり、かつ通知もなかったということですから、亡くなったことを知らなくてもしかたがないことです。自分の責任ではありません。ですが、知った限りはお世話になったお礼をしたいものですし、何か行動を起こすことが大切なのではないでしょうか。
ご自宅にお伺いしてお線香を上げさせてもらう、お香典を送る、手紙を書くなど、できることはいろいろとあります。お付き合いの深さやあなたの気持ちによって、どうするのかを考えてみましょう。

密葬に関する質問の数々、いかがでしたか。「密葬」での葬儀も珍しいものではなくなり、それに従って密葬のマナーというのはどういったものなのか悩む人も増えてきたのではないかと思います。

密葬とは、家族の人が、近しい人々だけで故人を送り出してあげたいという場所。
そこで家族としてどう振舞うか、密葬を知った周りの人間としてどう振舞うか
これが正しいやり方だと断定できるものは、現在のところまだ存在していません。

ただ、お互いがお互いの気持ちを尊重し、配慮しながら振舞えるのであれば
それがいちばんだと思います。

実際に、もっと細かい質問や疑問が出てくるかもしれないと思います。
その場合はぜひ佐藤葬祭までご質問下さい、最高の答えを導きだすのは難しいことですが
できるかぎりそれに近いものを一緒に考えさせていただきたいと思います。