葬儀の服装

4月から5月になると、葬儀の服装ついての質問が増えてきます。
僕もなかなかうまい答え方というのを探し当てられないのですが、今出来る限りの表現で説明してみます。

服装について話すとなると、お葬式の風習に触れる必要があります。

今あるお葬式の風習には、服装は喪服、枕団子、守り刀、
その他にもいろいろとあります。

お葬式の風習の大枠というものが定まってきたのは、昭和50年代に入ってからでした。
ではそれ以前はどうだったのかというと、地域の差や個人の違いなどが広く認められるものであったらしいのです。

ところが、人々の生活が少し豊かになってきた40年代、
いわゆる「マナー本」というものが登場し、人々がそれらを参考にするようになりました。

そういうマナー本を書く方というのは、いわゆるマナーを熟知した先生達です。
様式美や、伝統といったものを書く上で、人々にわかりやすく伝えるために
言ってしまえば「はしょって書く」というところも部分によってあったのです。
そして、どんな形を「正式」とするかは、やはり先生ひとりひとりによって異なり
その表現方法も違うものになったのです。

先生と言っても研究を続けている学者さんではありません。
また、法律での定めがあるわけでもなく、何が正しいかを断言するのは難しいでしょう。

しかし、断言してしまったほうが信憑性は増しますし、マナー本としての価値も上がります。
価値が上がれば売れ行きもあがりますので、いくら憶測が混じっていたとしても
言い切ってしまうことが多くなってしまったというわけなのですね。

お葬式のマナー本についても、正式とされる決まり事があり、それさえ守れば大丈夫という保証を売り物にしていたのです。
お葬式は本来そういったものではないのですけれども。

お葬式はとても精神的なセレモニーです。
ですから、一人一人の考え方によるところがあってもいいし、その結果が違ってもいいのです。
それなりの理由さえあれば、それは常に正しいと言うことができるのです。

例えば、葬儀であれば黒というのがルールであるかもしれませんが、
亡くなったおばあちゃんが大切にしていた黄色いバッグをお孫さんが持っていても
それをルール違反なのだとは言えません。
「おばあちゃん、これ大事に使っているよ」という気持ちを故人に伝えたいということなのですから。

ですから、一人一人が思うように、気が済むように服を選べばよいのだと思います
人の目が気になる方は、人の目が気にならないくらいのものを選びましょう。

僕からの説明としては、こういったところでしょうか。

ただ、もし出る予定の葬儀に服装などを気にする人がいる人も参列するとわかっているのならば
強いてその気にする人というのに、事前に相談してみるというのはいかがでしょう。
これもトラブルを避けるひとつの方法だと思います。

お葬式の基本は、お別れに意識を集中できるよう無用なトラブルは出来るだけ避ける、
リスクは少なければ少ないほどよいというところです。
いろいろな要因が複雑に絡んでくるのがお葬式というものですから、一人一人がきちんと判断して決めていかないと
どんどん混乱し、よいお葬式だとは言えなくなってしまうかもしれません。

やはり、客観的な視点を持ちつつも、その人自身の判断で決めるしかないのでしょう。

ただ、不安なときはおっしゃってください。これが答えだとすぐに提示することはできなくとも、
一緒に考えてよりよい答えを探すお手伝はできると思います。どんなに小さなことでも。