葬儀屋さんの資格 葬祭ディレクター

挨拶

多くの職業に「資格」というものが必要であるように、葬儀屋さんにおいても資格の制度があります。ただし、この資格を取っていなければできないというような、免許のようなものではありません。許認可が必要な業種ではないのです。葬儀屋の資格は国(厚生労働省)の認定を受けてはいますが、民間の資格なのです。葬祭業界には大きくふたつの連盟があり、ひとつは葬儀屋さんの連盟である「全葬連」、もうひとつは冠婚葬祭互助会の連盟である「全互連」となります。市場の取り合いともなり得る連盟同士ですが、協力して資格を作り出したというわけです。

葬祭ディレクターという名称について

この資格を得てお葬式の計画をする人を「葬祭ディレクター」と呼びます。アメリカの「フューネラル・ディレクター」という資格を和訳したものです。

1級と2級

1級と2級があり、1級のほうが高い級となっています。

◇1級◇
全ての葬儀における受注から会場設営、式典運営に至るまでの詳細な知識と技能
◇2級◇
個人葬における受注から会場設営、式典運営に至るまでの一般的な知識と技能

1級を持っているのは社葬などの規模が大きくなる葬儀まで請け負えるディレクターで、2級は一般的な個人の葬儀までの請け負いとなるディレクターということになります。

どんな試験があるのか

実技と学科の試験を受けなければなりません。実は、僕は毎年この試験の試験官として立ち会っているのですが、なかなか簡単に受かるものではなく多くの受験者が受験に落ちています。専門的にしっかりと勉強した方だけが受かるもので、ちょっと勉強したというくらいで取れる資格ではないのです。

まずは学科の内容ですが、
これは宗教知識や葬儀に関する法律問題と葬儀全体に関する詳細についてを問われるものとなります。
そして実技は大きく3つの課題に分けられており、

課題1「幕張り装飾」
規定時間内に正しく幕を張ることができるかどうか。
ひだを取る、装飾するなど、一枚の布を葬儀に適する形に仕上げるというものです。職人的な技術が必要となります。
課題2「司会」
お葬式の司会として模擬司会を実演します。
言葉遣いは正しいか、全体の流れを把握しスムーズに進行できるかなどを判断します。

課題3「交渉実演」
★受付や応対、設営、運営・進行、その他葬祭業務全般について問われた際に、きちんと返答できるかどうか。?お客さまの質問、意味するところを的確に汲み取り、 正しい知識と情報を提供しつつ答えてゆくというものです。

一日かけてこのような試験をします。

どのくらい信頼できるのか?

この試験があることにより、葬祭業者の能力というものを推し量ることができます。葬祭業者としての仕事をきちんと行うことができるかどうか、それを評価することになるのです。一方で、この試験を通じて、その業者の手順や進行に関する手腕はある程度はっきりと、レベルとして判断することはできますが、実際にその業者がどんな信条を持って葬儀に関わろうとしているのか、お客さまに対してどう接するのか、そういったことまでを判断する材料にはなりません。

格は違えど弁護士さんを例に挙げさせて貰えば、
弁護士という資格を持っていさえすればみんなよい弁護士さんかといえば、そうではない。これはどのような資格についても言えることではないでしょうか?
もちろん、資格を持っていないよりは一定の水準を満たすだけの知識や技術があるということにはなります。

資格がないということは、組合にも加盟できないということです。そして技術レベルとしてもまず立つべきスタート地点に立っていないということになります。僕らにとってこの資格を持つことが葬儀を任される者としてのスタートであるわけです。また、資格があるということは、お客さんにとってもどの程度の技術レベルが最低限保障されるかという目安を示すことになります。お客さまのことをきちんと考えていたら、取得すべき資格なのです。それを放棄するということは、売り上げだけを目的とした業者、実務経験がない業者ということになると考えるべきでしょう。
資格を持っていることが確認できる業者であれば、組合にも加盟している業者であり、実務経験や技術レベルについても一定以上のものを持っていると考えることができます。

この資格の未来

資格としては歴史の浅いもので、まだまだこれから改良の余地があるのだと思います。「貴方は葬祭ディレクターの資格を持っていますか?」と尋ねることで葬儀社を選ぶ判断材料となり、お客さんが消費者としての自分を守ることができるのであれば、それは資格としての価値が認められたということになります。この資格に価値があると考えていない同業者も少なからず存在しますが、一般の方にわかりやすい基準となるべく存在している資格なのです。

葬祭ディレクターという資格のさらなる詳細につきましては、全葬連のホームページ「葬祭ディレクター」をご覧いただければと思います。